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無線基地局からの信号が受信できるエリア内では、発信、着信状態ではなくても電話の電源を入れている(待ち受け)状態にあると電波が発信される可能性がある。(次項位置登録参照)
位置登録着信があった場合に全国すみずみまで探すことなく、狭い範囲で効率的な呼び出しを行うため、全国のサービスエリアは、半径数?〜10?程度の「位置登録エリア」に細かく分割されている。
無線基地局はつねに所在エリア確認のための質問波を発信しており、各携帯電話はこれに応答(電波発信)することで自分がどのエリアにいるかをサービス制御局に登録する。着信があった場合、サービス制御局はその携帯電話の存在するエリア内のみ呼び出しを行う。このしくみを「位置登録」と呼ぶ。
この「位置登録」は携帯電話の電源を入れたときに一度だけ行われ、以降、同一エリア内にいる限り再度応答電波が発信されることはない。場所を移動し、隣接する位置登録エリアに入った場合にはあらためて「位置登録(電波発信)」が行われる。
なお、2つのエリアの境界付近にいる場合に限っては、各エリアの無線基地局のうち電波強度の強い方に応答するため、電波状況の微妙な変動に応じて頻繁に(2つの局に対して交互に)位置登録が行われる可能性はある。
航空機内における携帯電話の受発信
受信、発信、位置登録、いずれの場合にもまず、無線基地局がらの信号の受信が契機となる。よって信号の受信できるエリアにいることが必要である。
無線基地局がらの信号は地表に向けて発信されているため、航空機の巡航高度程度になると電波強度は弱くなり、携帯電話での受信は困難となる。
したがって、航空機内で携帯電話の電源を入れていたとしても、愛発信、位置登録により電波が発信される可能性は少ないと考えられる。
一方、離陸後あるいは着陸前といった低高度では無線基地局からの信号は受信可能と考えられる。よって携帯電話の電源を入れていれば、愛発信は可能となる。また、飛行に伴い「位置登録エリア」を移動した場合には、その都度位置登録のために電波が発信されることとなる。
(注意)混信を避けるため、無線基地局毎に発信周波数は異なる。ただし、隣接しない無線基地局については同じ周波数が使用されている場合がある。
地表では同じ周波数を使用する複数の無線基地局からの信号を同時に受信することはないが、上空で見通しが良い場合には起こり得る。
異なる「位置登録エリア」に存在する複数の無線基地局が同じ周波数を使用していて、上空でこれらからのエリア信号を受信した場合、携帯電話はどれが本当の自分の位置が判明しないため応答(電波発信)しない。

 

 

 

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